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くじらかぎ

薪ストーブ納入後のお客様への訪問はプロとして楽しみの一つでもあります。
というのも、薪ストーブを使いこなしてゆくと、みなさんそれぞれ創意工夫して
われわれプロも気がつかない目からウロコの新発見も多いのです。
その一つが先日ご訪問したユーザーご使用の「くじらかぎ」。
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ブロスでも薪をつかむ道具として「トング」を販売していますが、
この「くじらかぎ」は先端のカギ部分で薪をひっかけ移動させます。
太くて長い丸太も意外にたやすく運べるとか。
お値段も¥3000程度ととてもリーズナブル。
それでいて、道具としての風格も感じられます。
みなさま是非のお試しを!
# by bros-stove | 2010-09-20 14:04 | くじらかぎ

アンコールオーバーホール

今回は8年前にブロスで取り付けしたバーモントキャスティングス製「アンコール」のオーバーホールをご紹介します。このお客様は薪も自身で全て調達し、家の主暖房として薪ストーブを活用され、毎年の煙突掃除もご自分でされるという大変な愛好家の方です。
当初は8年の使用で痛んだ各所の交換作業の依頼でしたが、末永く今後も使用したいとの要望から、本体すべての点検修理をのぞまれオーバーホールすることとなりました。

オーバーホールは勿論お客様のご自宅では出来ませんので、当社工場まで本体を持ち帰り作業します。本体を主要パーツに分解しサビを落とし痛んだボルト・部品を交換し再塗装します。
各部品は熱で変形・劣化している場合が多くボルト一つ外すのも細心の注意が必要です。


写真は分解したところからのものです。

1枚目の写真、左上は、アンコールのボトムの部分です。分解したままの状態です。
右上は、ボトム部分のサビを落として塗装した状態です。

下段の写真は、バックパネルのサビ落とし前と、後です。
四角い穴の部分が煙突接続部分で上から見下ろしている状態です。

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2枚目の写真、上段は、バックパネルにある、二次空気カバーを留めるネジと二次サーモスタットを留めるネジ穴が劣化していましたので、ネジを切り直しました。

下段は、フロントパネル(裏側)磨き前と後の状態です。

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3枚目の写真は、ドアガラスを押さえているほとんどのネジが、折れてしまいました。
こうなったボルトは、ロッキングプライヤーで外します。そして、ダメになってしまったネジ山は、新しく切り直します。

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4枚目の写真、左上は、左右エアープレートガスケット交換です。

一通り補修が完了したら組み立て作業に入ります。右上と、左下の写真のように、
ストーブのボトム部分に、サイドパネルと、バックパネルを組みます。このときは多めの耐火セメントをしっかり接合部に塗ります。
次にダンパー(アッパーファイヤーバック)を組みますが、その前に忘れてはならないのが、セラミックボックスの組み込みです。
ダンパーを先に組んでしまうと、セラミックボックスが入らなくなってしまいます。

右下の写真のように、フロントパネルも組んだところで、ベルト荷締め機で固定します。

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5枚目の写真、上段のように、ダンパー(アッパーファイヤーバック)とバックパネルの間にできた溝にしっかりとセメントを塗りこみます。
その他のパーツも丁寧に組み込んでいきます。
仕上げにストーブポリッシュを塗って、磨き上げて完成です。
ダイジェストになってしまいましたが、生まれ変わったアンコールです。

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# by bros-stove | 2009-10-29 10:59 | オーバーホール

都会の薪ストーブライフ

横浜の市街地で薪ストーブライフを楽しむNさんのお宅へお邪魔しました。
3年程前に自宅の建て替え時にドブレ700SLを導入。
当初は、都会でもあり、周囲の住宅と隣接している環境から、
ご近所から苦情が寄せられないか?
煙が周囲に迷惑をかけないか?都会で薪が手にはいるのか?・・・・等々
薪ストーブの導入にはかなり悩んだそうです。
しかし、やはり長年の夢はすてきれず、思いきって決心したとのことです。

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ところが、そんな心配とは裏腹に、建築中に煙突が立ち上がるのを見たご近所の
薪ストーブユーザーがわざわざ訪ねてこられ、
親切にも薪ストーブに関するアドバイスをいただき、
しかも完成祝いには薪をプレゼントされるという思わぬ幸運にめぐまれたそうです。

Nさんの薪ストーブの使用は主に週末の夜とのことです。
薪ストーブを使用する時は他の暖房器具は全く必要なく、快適に過ごせるとのこと。
薪の確保は、近所の植木屋さんやお寺さんでの伐採時にでる木をいただいたりと、
絶えず情報を集めているとのことです。
導入当初は通販で購入したものの、最近ではほとんどいただいた薪で賄っているとか。

「都会ではマンションや住宅の建設が狙い目で、
造成時に伐採した木がいただけることがよくあります。
とにかく積極的に声をかけていると結構薪は集まるものです。」
とはNさんの弁。

たしかに言われてみれば、都会には意外と薪になる広葉樹が多い。
公園・学校・街路樹・お寺に神社・・・樹木は成長するから切ったり伐採したりと
手入れが必要。まさに都会には薪があふれているのかもしれません。


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家の周囲は薪棚で囲われています。
いかに薪ストーブが大切な存在かが窺われます。
# by bros-stove | 2009-09-12 11:08

薪ストーブで料理もこなす

静岡県のSさんが購入した中古住宅には中国製の薪ストーブがついていたそうです。
しかしこれがさっぱり暖かくなかったそうで、
以降あれこれ模索したのち2年前にブロス山中湖店にご相談に来られました。

Sさんの奥様の希望は「とにかく寒いのが苦手だから家中暖まるストーブを」、
そして「薪ストーブで料理を楽しみたい」とのことでした。
また、「薪は購入する予定だから燃費の良い機種を」と
中国製のストーブでは味わえなかった分、大きな期待を寄せられていました。

その結果多くの機種からバーモントキャスティングスのアンコールに。
今では冬場の料理にはほとんど薪ストーブを利用するとのことで、
ストーブトップで煮物をしたり温めたり炉内はオーブンとしてと、大活躍だそうです。
もちろん暖房器具としても家中暖かな冬を過ごされているとのことです。
「暖かさの質が違い身体の芯まで暖まる。」と、奥様は満面の笑顔で話されていました。

Sさんの場合薪はすべて業者から購入しています。
薪は1日3~5束使うとのこと。
年間では10月~5月までほぼ毎日燃やして400束以上は使うそうです。
Sさんの場合暖房器具は薪ストーブだけで過ごし、薪ストーブで調理もこなすから、
薪を購入しても光熱費としては決して高くはないそうです。
むしろ付加価値を考えれば安いぐらいだと話されます。

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薪は長さ50cmでナラ・クヌギがほとんど。薪を運び易いようにウッドデッキと隣接して薪棚がある。




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薪ストーブの位置はリビングの中央よりにある。
まさに薪ストーブ中心の生活です。
# by bros-stove | 2009-07-29 16:28 | 薪ストーブで料理もこなす

薪作りは伐採から

山梨県の忍野村に住むTさんは、
6年程前の新築時には薪ストーブを一旦諦めたとのことでしたが、
やはり夢を捨てきれず、
2年前にブロス山中湖店にご相談いただき取付工事をさせていただいた方です。

既存住宅の場合は、壁に穴を開けて煙突を通す場合と、
今回のTさんのように屋根を貫通する場合があります。
もちろんブロスでは屋根工事も請負い、専門家に依頼して万全の工事をいたします。
さらに万が一の雨漏りに対しては10年間の保証をお約束しています。
(未だかつて雨漏りが起きたことはありません)

Tさん宅は寒冷地ということもあり、シーズン中は薪ストーブがフル稼働。
だから、薪の使用量もかなりなものだそうです。
幸運なことに山の手入れができなくなった知人の方が所有する山から、
原木を無償でいただいているとか。
しかし当然ながら、自身で伐採・玉切り・運搬・薪割りをしているそうです。
「素人だから結構苦労もあります」とTさん。
「最初のうちの木の伐採は、車が入る近場からやったから比較的楽だけど、
だんだん奥まで切り倒していくと、原木を運び出すのが大変なんだ。」そう苦労話を聞かせてくれます。
もちろん重機はなく、あくまで人海戦術。たくましく日焼けした顔や腕がその大変さを物語っていました。
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家の廻りはぐるっとほぼ1周薪が積まれています。



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薪割りで出た切れ端もこうして籠に入れておけば、焚き木に重宝するとのことです。



Tさんは炉台は自分で製作。
空気層を設け、ケイカル板にタイル貼り。
「レンガを積むと重たくなるから」との配慮だそうです。
既存住宅に後から設置する場合は、床への加重も考えなければなりません。
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# by bros-stove | 2009-07-22 08:41 | 薪作りは伐採から